ARAKAN LADIESによる手づくり作品のお部屋

 Arakan Art 2016

Arakan Lady の雑記帳

12月7日

心の兄

今年最後の月になりました。いろいろなことがたくさんありすぎて、自分でも整理できないほどです。そんなことを考えていた矢先、親友のSさんから、あまりにも突然のメールが来ました。大学時代から兄と慕っていたNさんがお亡くなりになったというのです。前々から身体が悪いということは、知ってはいたのですが、あまりの突然の訃報に言葉がありませんでした・・・。Nさんの思い出と言えば、何年か前にSさんと三人で、冬の寒い日に本郷界隈を散歩したことです。Sさんが道案内をしてくれて、お昼は「金魚」で食べました。窓際から差し込む冬の日差しが暖かく三人を包んでくれて、すごく幸せな時間でした。たくさんたくさんいろいろな話をしたことが、昨日の事のように思い出されます。最後に「羽二重団子」を食べながらお茶をすすり、のんびりとした時間を過ごしました。駅での別れ際に無性に握手がしたくなってNさんと思いっきり握手をしました。その時の強く暖かい手の感覚は、忘れられません。この写真に写っている落款は、大学4年間の卒業の贈り物としてNさん自身が彫ってくれたものです。私の大切な大切な宝物になってしまいました。いつもニコニコ笑っていていつでも話を聞いてくれるお兄さん・・・。たくさんの思い出をありがとうございました。天国でゆっくり休んでください。Sさんときーぼーはいつでも漫才であなたを笑わせますよ。見ててね。

11月21日

旧友

久しぶりに高校時代の旧友からメールが来た。彼女はご主人を亡くし、今は一人で彼との思い出の家で生活している。私は、家族がいてもこの頃不安に襲われることがある。なんだか分からないが突然来る。ひとりで生きるってことは、相当の覚悟がいることだと思う。彼女の強さを尊敬してしまう。昔から意思が強く、とてもしっかりした人だった。いつも自分を持っていて、周りに流されるような人ではなかった。メールの内容は、会っていろんな話がしたいということだった。きっと語りたいことはたくさんあるんだろうな・・・。年を取ってくると、友が懐かしく思えてくる。会いたいと思うときにあって話すのが一番だと思う。彼女も陶器を作る人なので、きっと作品を作っているときが何もかも忘れられるときなのでは。夫婦で沢山の作品を作っていた彼女。今、ひとりたくましく生きている彼女の作品を見てみたい・・・。

10月19日

阿部先生の個展会場
恩師の個展

今日は、大学時代の恩師の個展に行ってきました。久しぶりに日本画の仲間たちとも会い和気あいあいの時間を過ごすことが出来ました。恩師の作品は力強くゆったりとした良い作品でした。
今日のヒットは、日本画の友人が、学生時代に載ったサンデー毎日を持ってきてくれたことです。も~懐かしくて懐かしくて、みんなで思わず爆笑してしまいました。あまりに懐かしいのでArakanアートに載せてしまいました。

 
 

10月19日

阿部先生の個展会場
恩師の個展

今日は、大学時代の恩師の個展に行ってきました。久しぶりに日本画の仲間たちとも会い和気あいあいの時間を過ごすことが出来ました。恩師の作品は力強くゆったりとした良い作品でした。
今日のヒットは、日本画の友人が、学生時代に載ったサンデー毎日を持ってきてくれたことです。も~懐かしくて懐かしくて、みんなで思わず爆笑してしまいました。あまりに懐かしいのでArakanアートに載せてしまいました。

 
 

10月17日

キンモクセイ

キンモクセイの香りが風とともに窓から漂ってきた。毎年裏の公園から匂ってくるのだ。
この香りが漂ってくると、もう秋なんだなぁとしみじみ感じる。
甘くせつない何とも言えない香りだ。
この香りと共にふーと消えていってしまった。あっという間だった。
ついこの間優しい笑みを浮かべていたのに・・・。これも運命なのかもしれない。
こころにたまった悲しみをキンモクセイの香りが癒やしてくれた。
 
今までありがとう。
合掌

9月19日

浮世絵で脳トレ

今はまっているマイブームと言えば、江戸の粋を感じながら脳をトレーニングする遊びです。例えば、歌川国芳の作品で、「寄せ絵(だまし絵)」と呼ばれるものの中に、何人の人物が隠れているか探しだすのです。作品自体とてもユーモアがあり、楽しくてついのめり込んでしまいます。60過ぎてだんだんと脳の働きも鈍ってきたように感じる昨今、集中して遊べるものが見つかったのは嬉しい限りです。
脳トレの材料として国芳の作品で遊んでみましたが、遊んでいるうちに国芳の作品に夢中になってしまいました。作品としてかなり面白く、国芳の才能を感じずにはいられません。ユーモアたっぷりの浮世絵で、可愛い金魚たちが主役の「金魚づくし」のシリーズがとても楽しく見ているだけで癒されます。じっくり画面をみていると、色々な発見があります。金魚の一家が金魚の鳶に何かをさらわれて慌てふためいている姿。とても楽しく、思わず笑みがこぼれてしまいます。このように、ゆっくりと脳が刺激されていくことは良いことかもしれませんね。国芳の作品と言えば、「ヒーロー」ものが有名ですが、寄せ絵や風刺画にもなかなか見応えのあるものがあります。こんな小さなことでも脳をトレーニングしながら美術館賞までできて一石二鳥ですね。少しづつでも壊れかけた頭を刺激していきたいです。(笑)

8月16日

シン・ゴジラ

私の誕生日祝いを兼ねて、映画を見に行った。幼いころ見た「ゴジラ」は、怪獣が現れそれをやっつけるというお決まりの題材だったような気がする。その頃は、悪いゴジラをやっつける人間の攻防戦に興奮した思い出がある。ゴジラが現れる時のテーマ曲は、この「シン・ゴジラ」でも使われている。テーマ曲が流れるとドキドキ、ハラハラするのは、小さいころと変わらない。(笑)しかし今回のゴジラは、幼いころの気持ちとは違って、哀れさを感じてしまったのはなぜだろう・・・。ここまで生きてきて、またゴジラの映画を見ようとは。この映画何が面白かったのと聞かれたら、即、政府関係者たちとのやり取りと答える。緊急時のやり取りがリアルと思わせるほどによく描かれていたということだろう。現実として、もしこの未曾有の災害が起きたら映画以上に人間の心理的動きは複雑なはずだ。国を任せることの重大さを、一個人として再認識させられた。アート的な感想を述べるとしたら、ゴジラのしっぽに醜の美をみた。尻尾だけで独立したオブジェとして成り立っている姿は美しい。

7月23日

番組HPより

番組公式HP

思い出の夏のお菓子

まだ梅雨はあけていない。そんな時、「グレーテルのかまど」を見ていたら、懐かしいずんだ餅の特集だった。この時季になると無性に食べたくなる。ずんだ餅というと田舎の祖母が夏のお菓子にいつも出してくれた。
枝豆を丁寧にすりこ木で潰し、それをすって甘く味付けする。幼い頃の私には、とても不思議なお菓子だった。枝豆は、ビールのおつまみ。味は塩味という先入観。それがみるみるうちに美しい黄緑色のあんに。鮮やかなずんだはお餅に絡めると、たちまち素朴で優しいお菓子に大変身。何個でも食べられてしまう。暑い夏にこの爽やかなずんだの色彩は暑さを和らげる演出をしてくれる。
いま、八百屋さんに旬の枝豆が並んでいる。我が家では、茹でてビールのおつまみというのが定番だが、祖母を思い出し、すり鉢とすりこぎを出してみた。
さてと~ずんだ餅に挑戦してみようかな。

6月17日

番組公式HP

浮世絵

今まで浮世絵を意識して鑑賞したことがなかったが、「趣味どきっ!旅したいおいしい浮世絵」を見て考え方が変わった。
こんなに楽しく江戸の生活、文化を感じ取れる浮世絵を、なぜ興味を持たなかったのだろうと凄く悔やまれた。江戸の粋な文化、町の風情、生活様式がストレートに手に取るように分かるものは、浮世絵しか無いだろう。日本の天才浮世絵師国芳、国貞が描いた浮世絵。勿論、彫師の腕も見せ所なのだ。
作品を見ていると江戸にタイムスリップしてしまう。宴の様子など酒を酌み交わす女達の楽しさ。国貞の作品で冬の夜の蕎麦屋の屋台に集う遊女たち、見ているだけで温かさが染みてくる。
江戸の食文化、寿司、蕎麦、うなぎ、天ぷら、白玉、とろろ汁、安倍川餅。豆腐料理、酒など、浮世絵から見て取れる食は、現代にも続いているのだ。国芳と国貞の卓越したデザイン性は、グラフィックアートで、現代に通じるポップアートとも言われている。
浮世絵の視点を食に絞って紐解いていったことが楽しかった。
食の文化を通じて国芳や国貞の作品にも触れる事ができ、久しぶりに楽しい番組に出会えた。

5月16日

番組公式HP

窓を開けると、外から新緑の香りがさぁ~と通り抜けていきます。今は、一番気持ちの良い季節ですね。窓は建物の顔とも言われています。窓は風景を切り取り生きた絵画になります。春、夏、秋、冬と四季折々の風景を描いてくれます。窓というのは、建物とのバランスが重要になってくるそうです。景色の美しい方向に窓を作るというのも建物とのバランスから考えるとなかなか大変なことのように思えます。景色の美しい方向に窓を設けたら、もうそこの部屋には絵画を飾る必要は無いでしょう。生きた絵画が生まれるのですから。私は、窓から見える景色で一番好きなのは、何気ない日常の生活です。人が行き交い、車がとおり、子供が遊びまわる。見ていると飽きません。朝になると窓から差し込む光で目を覚まし、昼には草や花や木々に新しい発見を見ます。夜になると夜景に目を奪われます。これは、内から外を見た風景で別世界を演出してくれます。窓は内から外を眺めると、美しいものばかり捉えようとします。しかし、外から内を眺めると生活が見えます。ふと、「マッチ売りの少女」のお話を思い出しました。寒い大晦日の夜、マッチが売れず途方に暮れていた時、外から眺めた家族団らんの暖かさを見た時、少女の心はどれほど切なく悲しかったことでしょう。窓の中は、現実を直視させられるドラマが見えているのです。何だか暗くなってしまいましたね。窓は内から外を見ることが、現実逃避の一番の癒やしでなければならないのです。さぁ、思いっきり窓を開けて新鮮な空気を中に入れましょう。

4月16日

番組公式HP

ランドセル

4月の桜もしっかり咲き誇り、子供たちは真新しいランドセルを背負い初めての小学校生活が始まります。この時季になる遥か昔を思い出します。子供を通り越して私めの思い出です。初めてランドセルを背負った時の気持ちは、何だか一つ大人になったような気がしました。あの頃は、カラフルな色彩のランドセルがあったわけではありませんでした。今の子供たちはランドセルの色を選び放題。私の時代は、黒か赤か茶色・・・それぐらいしかなかったような気がします。ニューヨークでは、ファッションアイテムとしてランドセルが使われているそうです。お洒落ですね。六年間という長い時間を自分と共に過ごしたランドセルを小学校時代の証として、ミニランドセルにする人もいるそうです。私は子供の六年間の思い出が詰まったランドセルをまだ使えるとか思い友人のお子さんにあげてしまった苦い思い出があります。子供に酷く叱られました。そりゃそうですよね・・・大切な思い出が沢山詰まっているランドセルなんですもの。何てことをしてしまったのかと今でも反省しています。六年間の汗と思い出が染みこんでいる大切なランドセル。誰もが背負う人生最初の鞄。桜とランドセルは、スタートラインの証でもありますね。

3月12日

ある日わたしは

昔の女優の顔はどうしてあんなに目がキラキラ輝いているのかな~。目に星が。今、懐かしいドラマ「ある日わたしは」にハマっている。石坂洋次郎作品のドラマ化。松原智恵子と和田浩治の掛け合いがたまらない。男と女の会話があんなにめんどくさいものなのかとツッコミをを入れながら見ている。はっきり好きといえよ。手を握れよ。抱き寄せたいならしろよ。キスしたら。まどろっこしいなぁ~もう。愛情を表現するのに理屈で攻めてくる。理屈は日記にでも書き留めておけって。見つめ合い、お互いを攻め合い、離れる。後になり、切なさがつのる。そのやり取りが何回も続く。見ているわたしとしてはイライラする。松原智恵子の苦悩する表情がまたいいんだ。和田浩治の軽いノリが最高。昔の女子大生のファッションもチェックだ。カチッとしたスーツにヒール、硬そうなハンドバック、そして本。ヘアースタイルは、必ずと言っていいほどおリボンが。自分の学生時代と比べてもおかしいわ。時代を感じるね。小説を読んでいるような流れでドラマを見ることができるのは、楽しい。今の恋愛ドラマとは違う。心の葛藤みたいなものがドラマの核にあり、真面目すぎるぐらい青春を悩み生きている。古いドラマとはわかっているのに、素直に納得しながら正座してみている自分に思わずプッ。私もまだまだ若いねぇ~。たまには寄り道も楽しいわ。

2月12日

 義父との会話

節分が終わり、少しづつではあるが春が近づいているような気がする。風の香りも、何か今までの冬の風の香りとは違う。先日主人の実家に飾られている私の初期の作品を何気なくぼーっと見ていたら、ある日の義父との会話を思い出した。「きーぼーさん、この貝の穴に入っていくとどんな世界が待っているのかなぁ~。」突然義父に言われびっくりした。「お義父さん、この穴をずーっと抜けていくとね、素晴らしい世界が広がっているんですよ。」と、わたしが言うと「うん、そうかもしれんねぇ~。」と。言葉を噛みしめるように、ジーと絵を見ながら呟いていた。義父に言われた時は、事務的な会話で流していたが、今思えば義父は義父なりに、絵から何かを感じ取ろうとしていたような気がする。そう言えば、自分の駄作に対してここまで思いをぶちまけてくれたのは、義父が最初で最後だった気がする。義父が貝の絵から何かを感じ取ってくれたとしたら、この絵を描いた意味があったわけだ。胸が熱くなった・・・。午後の日差しが差し込む部屋で、あらためて絵を眺めた。ほんの些細なことだが、自分の描いた絵が、病を持っている人の心の癒やしになれたとしたら、微力ではあるが、絵を描く意味があったような気がした。何で自分は絵を描くのだろうと自問自答を繰り返してきたが、好きだからで終わっていた。ここにきて初めて答えが出たような気がする。義父が貝のトンネルを通って見た世界が幸せの世界であったことを確信する。なぜかって?だってあの日の義父の表情は仏さまのようにおだやかだったから。

 美人画の着物

美人画に着物姿はつきものだ。新年の幕開けとしてはおめでたい番組かもしれない。
美人画と言えば、鈴木春信、鏑木清方、伊東深水、上村松園など名前をあげたらきりがないほどだ。
江戸時代の美人画を見てみると、着こなしのアレンジが粋だ。着崩して着るという技があったようだ。
 
鈴木春信の作品は、清楚な美人を感じ取れる。また、美人はしぐさで作られるらしい。
上村松園の作品のポーズは、正しく女らしさを強調している。計算された美人のポーズは見事だ。
個人的には、伊東深水の作品が大好きだ。「指」という作品で、うすい着物に身を包んだその姿は、何とも艶っぽい。思わず我を忘れて見入ってしまうほどだ。しっとりとした美人の水気を含んだような表情は、思わす触れてみたくなるほどだ。美人画の特性は、着物の美しさに負けないほどのポーズや表情が重要だと思う。
岡田三郎助の代表的な作品で「あやめの衣」という作品があるが、顔が描かれていない後ろ姿の作品だ。それでも実に色ぽくて思わずこっちを向いてよと言いたくなるほどだ。着物に描かれたあやめの作品につい目がいってしまうが、後ろ姿であるがゆえに全体像がとても気になる。このあやめの着物をまとった女性はどんなお顔なのだろう・・・。
 
きっと美しいに違いない。わたしはそう感じた。